不動産投資を検討している人は、「REIT(リート)」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。でも実際にREITがどんなものか知らない人も多いのではないでしょうか。
REITとは、「Real Estate Invesment Trust」の略称で、不動産投資信託を意味しています。
REITに投資すれば、一般の不動産投資に比べ、投資先を分散させられるんですよ。もちろん不動産投資と同様にリスクもあります。しかし分散投資をすることで、そのリスクを減らすことができるんです。
ここではREITの特徴や魅力・リスクについて、詳しく紹介していきますね。
REIT(不動産投資信託)とは
REITはもともとアメリカで誕生した制度です。現在では多くの海外市場で上場しており、日本で上場しているREITはJapanのJを付け「J-REIT」と呼ばれています。
海外でREIT制度を導入している国は、次のとおりです。
REITは不動産投資法人※が投資家から集めた資金を、マンションやオフィスビル、商業施設など複数の賃貸不動産に投資する、会社型の投資信託です。
投資法人とは、投資を目的とした法人です。会社型投資信託では投資法人を設立し、投資家から集めた資金をもとに、不動産の保有・運用を行いますが、業務自体は外部に委託することが法律で定められています。
そして賃貸収入や売却収入での利益を、投資家に分配する仕組みになっています。
REIT投資対象の不動産は7種類!用途と地域による分類も紹介
REITで投資対象となる不動産は、次のとおりです。
分類 | 内容 |
---|---|
オフィスビル (企業用賃貸ビル) |
・都心の大型ビル ・地方都市のビル など |
居住用の住宅 (おもに集合住宅) |
・賃貸マンション など |
宿泊施設 | ・リゾートホテル ・シティホテル ・高級旅館 など |
商業施設・店舗 | ・郊外のショッピングモール ・繁華街の商業ビル など |
物流施設 | ・空港港,湾近郊にある大型物流施設 ・高速道路のIC近郊にある大型物流施設 など |
産業用不動産 | ・工場 ・研究施設 ・データセンター など |
ヘルスケア施設 | ・有料老人ホーム ・高齢者向け住宅 など |
投資家への分配金の主となる賃料収入は、不動産の用途や対象物件のある地域による影響を受けるため、J-REITでは不動産の用途や地域によって、それぞれ次のように分類しています。
- 特化型
- 複合型
- 総合型
特化型はその名のとおり、単一の用途の不動産に特化した投資です。また複合型は2つの用途の不動産への投資、総合型は3つ以上の用途の不動産への投資となります。
- 地域分散型
- 地域特化型
特定の地域に偏らず、満遍なく投資するのが地域分散型。ある地域に集中して投資するのが地域特化型です。
REITの魅力とリスクを紹介
REITには上場している銘柄があり、特にJ-REITは多くが上場しています。REITは不動産投資信託ですが投資法人への投資となるため、売買の方法は通常の株式投資と同様です。
そのため上場株式と同じく、証券会社を通じてリアルタイムでの売買が可能ですが、基本的な投資同様リスクもあります。
次の項目から、REITの魅力とリスクについて詳しく見ていきましょう。
REITの6つの魅力!少額から分散投資が可能でしかも配当率が高い
- 直接投資するより少額で投資ができる
- 不動産のプロが運用を行う
- 複数の不動産に分散投資できる
- リアルタイムで売買することができる
- 分配金の配当率が高い
- NISA・ジュニアNISA対象商品
不動産に直接投資する場合、投資用マンションの購入に1,000万円以上になることがほとんど。その上、維持管理費などさまざまな諸費用がかかってくるんです。
しかしREITなら、銘柄によって異なりますが1口10万円~100万円程度で投資することができます。しかもREITは業務の一切を運用会社に委託しているので、維持や管理などの手間もかかりません。
REITなら複数の不動産に分散して投資することになるので、一般的な不動産投資のリスクを減らすことができるんですよ。
また先ほども言いましたが、REITは上場しているため、リアルタイムな価格での売買が可能。なかでもJ-REITは現金化しやすいだけでなく、利益の90%を超えて配当すると法人税が実質免除になるため、配当率も高くなります。
さらにREITはNISA※・ジュニアNISA対象の金融商品です。
年間120万円以下の投資で得た利益を非課税にできる、少額投資非課税制度のこと。詳しくは「NISA(ニーサ)とは?株初心者が知るべきメリットとデメリット」で紹介しています。
REITのリスクの内容は基本的な投資と同じ!
REITは分散投資となるため、通常の不動産投資に比べ、リスクは減少します。しかしゼロになるわけではありません。どんなリスクがあるのか、確認していきましょう。
- 上場廃止になるリスクがある
- 倒産のリスクがある
- 被災を受けた場合に価格や分配金が変動する可能性がある
- 金利の変動により価格や分配金が変動する可能性がある
- 物件の価値の低下などにより、価格や分配金が変動する可能性がある
上場しているということは、株式同様、上場を維持する基準を満たすことができなくなった場合には、上場廃止となる可能性があります。過去に上場廃止になったREITも、実際にありました。投資先である投資法人自体が倒産してしまうこともあるんですよ。
また被災や金利の変動、物件の価値の低下などにより、価格や分配金が変動する可能性も。
しかしREITやREITファンド、REIT ETFならこれらのリスクを軽減させることができるんです。
REITの3つの投資形態
REITには3つの投資形態があります。
- REIT(個別銘柄)
- REITファンド(投資信託)
- REIT ETF(上場投資信託)
REITは先ほども説明したとおり、投資口である不動産投資法人がマンションやオフィスビル、商業施設など複数の賃貸不動産に投資する、会社型の投資信託です。
では「REITファンド」や「REIT ETF」とは、どんなものなのでしょうか。次の項目から、それぞれ説明していきますね。
REITファンド(投資信託)
REITとREITファンド、同じものだと誤認されがちですが、実は別物なんです。
REITファンドはファンド・オブ・ファンズ(Fund of Funds)といわれる、投資信託のひとつ。
REITはひとつの不動産投資法人へ、REITファンドでは複数の不動産投資法人へ投資することになります。
REITも分散投資になりますが、REITファンドなら、さらに投資先を分散させることができるんです。
個人で複数の投資先に分散させるよりも少額で、リスクを抑えられます。
REITファンドにも次のように種類があるので、いくつか見てみましょう。
- J-REITファンド
- グローバルREITファンド
- 米国REITファンド
- アジアREITファンド など
「J-REITファンド」はJ-REITへのみ投資するファンド、「グローバルREITファンド」は海外のREITに投資するファンドです。
ほかにも「米国REITファンド」や「アジアREITファンド」など、地域を限定したファンドもあります。
REIT ETF(上場投資信託)
REIT ETFとは、REIT市場の値動きを表す株価指数と連動するETF(上場投資信託)※です。
REITファンド同様、REITよりもさらに分散した投資ができます。
上場している投資信託のこと。通常の株式投資と同様にリアルタイムで売買ができます。ETFについて知りたい場合は「ETFとは?仕組みやメリットをわかりやすく解説」で詳しく紹介しているので、ぜひ読んでみてくださいね。
現在東京証券取引所で扱いのあるREIT ETFは9銘柄。そのうち7銘柄が東証REIT指数※に連動し、残りの2銘柄はオーストラリアとアメリカのREIT指数にそれぞれ連動しています。
J-REIT市場の全銘柄の値動きから算出される、株価指数のこと。
REITファンドとの違いは次の2点です。
- 信託報酬(手数料)が安い
- リアルタイムな価格での売買が可能
投資信託の場合、信託報酬は運営会社や資産管理会社、販売会社などへの手数料です。しかしETFは株式市場で売買を行うので、販売会社への手数料は株式売買手数料となります。
インターネット取引が盛んになり、証券会社の手数料競争により売買手数料は販売会社への信託報酬よりも安いです。そのため投資信託の信託報酬よりも、ETFの信託報酬と売買手数料を合算したもののほうが一般的には安くなります。
REITを購入におすすめの証券会社を紹介!
「REITで手軽に不動産に投資し、資産運用に活用してみたい」と思う人も年々増えています。
REITは証券会社などで手軽に買うことができますが、「どの証券会社で買えばいいの?」という疑問も生まれますね。
REITを買うのにおすすめの証券会社はSBI証券なんです。
SBI証券のJ-REITの取り扱い本数は、ほかのネット証券と比較してもダントツに多いんですよ。
またREITはNISAやジュニアNISAからも購入できますが、SBI証券のNISAなら売買手数料はずっと無料。
SBI証券の手数料については「SBI証券は手数料が0円!少額投資ならアクティブプランがおすすめ」
SBI証券の証券口座をまだ持っていない人は、ぜひこれを機会に口座を解説し、オトクにREITを買ってみてくださいね。
SBI証券の口座開設はこちらからどうぞ。
REITで不動産に投資しよう!少額から分散投資できる投資信託
REITは通常の不動産投資に比べ、少額での投資が可能な不動産投資信託です。個別のREITでも分散投資になりますが、REITファンドやREIT ETFならさらに投資先を分散させることができます。
不動産投資同様のリスクはありますが、分散投資によりリスクを軽減できるんですよ。
しかも不動産投資をするなら維持や管理なども投資家が手配しなければなりませんが、REITなら不動産のプロが一切の業務をやってくれるので手間がかかりません。
REITはリアルタイムな価格での売買が可能なだけでなく、配当率が高いのも魅力的ですよね。
不動産投資を検討しているなら、まずは少額で始められるREITに投資してみてはいかがですか?