株を買うタイミングは大きく分けると「順張り」と「逆張り」の2種類あります。投資家の中には「順張りしかしない!」という人や、「逆張りで大きく儲けたい!」という人がいて、昔からどちらがいいのか大きな議論のテーマになっています。
株初心者には、順張り?逆張りってなに?と、何のことだかわからない人もいるかもしれませんが、上昇トレンドに合わせて株を買う「順張り」と下降トレンドの底値を予想して株を買う「逆張り」は、どちらも重要な投資スタイルなので、今回の記事で詳しく説明していきます。
またそれぞれの注意点を紹介し、あなたには順張りと逆張りのどちらがオススメか?という性格診断を行います。この記事を参考に、どんな相場の流れでも株を買うタイミングが見極めれるようレベルアップを行いましょう。
下降トレンドの底値で反発を予想して株を買う「逆張り」
株取り引きの基本は「安く買って、高く売る」です。つまり株価が下落していき、底値圏まで下がりきったら買って、あとは天井圏まで上がったところで売るのが理想ですよね。
しかし、その分リスクも高い「ハイリスク・ハイリターン」な手法であると言えます。
なぜなら底値と思って株を購入しても、さらに株価が下落していく危険もあるからです。
相場を見ていて下降トレンドが続いた場合、投資家の間では「もうそろそろ下げ止まりだろう」や「売られ過ぎだから反発が来るかもしれない」と予想する人が出てきます。
この売られ過ぎと見極めるポイントは人それぞれで、いったいどこが底値か判断するのはとても難しい問題だと思います。
売られ過ぎを判断するのにオススメな指標が次の2つです。
- RSI
- ボリンジャーバンド
売られすぎを見極めるオススメの指標「RSI」
RSIは株価チャートの下に表示して、株が買われ過ぎか売られ過ぎかを判断し、買いサインと売りサインを見付けるのに利用します。
RSIを確認すれば、株の売られ過ぎポイントがわかり、相場の底値を見極める指標になるため逆張りで株を買うタイミングがわかります。
RSIの詳しい見方については、「RSI(アールエスアイ)を活用し株の売買ポイントを見極めよう」を参考にしてください。
売られすぎを見極めるオススメの指標「ボリンジャーバンド」
ボリンジャーバンドは株価に寄り添うよう帯状のラインを表示し、株の買われ過ぎと売られ過ぎを判断する指標です。株価が上のラインにかかった場合は買われ過ぎと判断し、売りサインとみることができます。
また、株価が下のラインにかかった場合は売られ過ぎと判断でき、逆張りで株を買うタイミングがわかるのです。
ボリンジャーバンドの詳しい見方については、「ボリンジャーバンドを活用して売買ポイントを簡単に見極める方法」を参考にしてください。
損切りはルールを決めて行う!逆張りで失敗したときの対処法
RSIやボリンジャーバンドを用いて逆張りを狙い、下降トレンドの底値だと思って株を購入しても、さらに株価が下落する場合もあります。
そんなときは、損失が大きくならないうちに損切りを行うことをお勧めします。
損切りとは損失を最小限に抑えるため、損失が小さなうちに株を売ってしまうことを言います。損切りの重要性については「含み損が出たらナンピンせず損切り!塩漬け株を作らない方法」で紹介していますので、ぜひご覧ください。
損切りは、株価が購入時より10%下がったら行うなど、自分なりのルールを決めますが、確実に損失が出てしまうのがデメリットですよね。
もし資金に余裕があり、株価が上昇する目星がついた場合は、「ナンピン買い」という投資手法で損失を小さくすることもできます。
ナンピン買いとは保有している株が下落した場合、さらに追加して同じ銘柄の株を購入することで、平均取得単価を下げることができる投資手法です。詳しくは「含み損が出たらナンピンせず損切り!塩漬け株を作らない方法」で解説しています。
ナンピン買いは株価が下がったら買い足し、さらに下がったらまた買い足しを繰り返していくので、莫大な資金が必要です。最悪の場合、そのまま株価が上がってこない状況もあるかもしれないので、正直お勧めはできません。
このような手法があるということを覚えておくのは重要ですが、損失が大きくなる前に損切りすることをお勧めします。
ナンピン買いについては「ナンピン買いすべきタイミングとは?安易な買い増しはNG」を参照してください。
株価が上がっていく上昇トレンドに合わせて株を買う「順張り」
逆張りはハイリスク・ハイリターンな投資手法だと説明しましたが、順張りは逆張りと比べるとリスクも少なく株初心者にもお勧めの投資スタイルです。逆張りとは反対で、順張りは上昇トレンドに入ってから株を買うのが特徴です。
株価チャートを見ながら上昇傾向にある右肩上がりの銘柄を探し、次の「ブレイク」と「押し目」を見付けて、順張りで株を買うタイミングを見極めましょう。
順張りで株を買うタイミングを見極める方法「ブレイクアウト」
相場が上昇傾向にあっても、ある水準まで株価が上昇したときに足踏みを始めてなかなか上がらなくなる場面があります。この価格帯のことを上値抵抗線と呼びますが、しばらくすると上値抵抗線を抜けて再び上昇を始めます。
一度、上値抵抗線を上抜けると、その後は勢いがついて上昇を続けるパターンが多いので、多くの投資家はこの上値抵抗線を超えるタイミングを待ち構えています。
この上値抵抗線を超えることをブレイクアウト、または単にブレイクと呼び、順張りの買うタイミングとしてとても重要なポイントなので覚えておきましょう。
順張りで株を買うタイミングを見極める方法「押し目買い」
順張りの買うタイミングとしてもう1つ重要なポイントが、押し目買い(押し目)です。
株価が上昇傾向にあるなか、一時的に下がることを押し目と呼び、そのときを狙って株を購入することを押し目買いと呼びます。
株価は上昇トレンド中でも上がったり下がったりの波を繰り返しています。その下がったポイントでタイミング良く買い注文を出しましょう。
しかし、買い圧力が強い大きな上昇トレンドでは、なかなか株価が下がらないこともあるので、押し目ばかり狙っていてはそのまま買うタイミングを逃してしまうケースもあります。
価格帯別出来高について「投資家心理を読む!価格帯別出来高の見方と株の売買シグナル」で解説しています。
順張りで買った後に株価が下落しだしたら早めの損切りを
順張りで株を買うタイミングについて説明しましたが、いくら上昇中と言ってもトレンドの天井付近で買ってしまっては、その後株価は下がり始めて売るに売れなくなります。
例えば、押し目を狙ってトリプルトップの谷で株を買ったとしましょう。
トリプルトップは相場の天井圏を示す典型的なパターンなので、その後は株価の下落が予想できます。
そのような場合は、損失が大きくならないうちに損切り(ロスカット)を行ってください。
トリプルトップは、三尊天井(さんぞんてんじょう)やヘッドアンドショルダーズトップとも呼ばれ、上昇トレンドの最中に出てくる3つの山と2つの谷を指します。このトリプルトップが現れると上昇トレンドの転換点として判断でき、その後に株価は下落が予想できます。
トリプルトップやトレンドの転換点については「株の教科書「酒田五法」で今後のチャートパターンを分析!」で詳しく説明しています。
順張りに向くのは、損切りができてすぐ結果を出したい人
今回は株を買うタイミングとして、順張りと逆張りについて説明しました。ここで順張りに向くタイプの人と逆張りに向くタイプの人を紹介します。
- 天井圏で株を買ってしまう危険があるので、その場合でもちゃんと損切りができる人
- 株を買って売るまでの期間が逆張りに比べて短いので、利益が少なくてもすぐ結果を出したい
- 順張りに比べて逆張りは現れる機会が少ないので、焦らずゆったり株式投資ができる人
- 周りが買うのをためらう場面でも買い注文を入れることができる周りに流されない人
- リスクがあっても利益が大きいほうを望む人
このような感じでタイプを分けることができますが、逆張りは本文中でも説明したとおりハイリスク・ハイリターンな投資スタイルなので、株初心者にはあまりお勧めができません。
株初心者はまず順張りからマスターしよう!
株式投資に慣れるまではまず順張り手法を使い、株価が下がって含み損が出たらきちんと損切りを行うようにしてください。
順張りで天井圏を見極めて相場を読めるようになったら、徐々に勝率や利益を上げていくことができます。
順張りに慣れたら今回紹介したRSIやボリンジャーバンドなどの指標を用いて、逆張りで株を買うタイミングも見極め、上昇トレンドでも下降トレンドでもどちらでも利益を上げられるようレベルアップしていきましょう。