2016年にサービスを開始した「THEO(テオ)」は、スマホで始められるロボアドバイザー。
資産運用方針の提案だけでなく、実際の買い付けやメンテナンスも自動で行う投資一任運用サービスなので、次のような人にもオススメです。
- 投資に興味はあるけれど、自分で資産を運用するのは不安
- 投資のことだけに付きっきりになるのは難しい
- 株の勉強をするのは面倒だけど、資産は運用したい
ほかのロボアドバイザーでは、最初に10万円以上の運用資金が必要な場合がほとんど。しかしTHEOなら、1万円以上1,000円単位で資産運用を始められるんですよ。
ここではTHEOのリスク分散やポートフォリオ、THEO積立、手数料などについて詳しく解説します。
THEO(テオ)とは、投資一任運用のロボアドバイザー!
THEOは、ベンチャー企業「お金のデザイン」が開発・提供しているロボアドバイザー※です。
ロボアドバイザーでは、人間の代わりにロボットが資産運用方針を提案。なかには提案だけでなく、実際の買い付けやポートフォリオのリバランスなどを行うものもあります。
ロボアドバイザーについて詳しく知りたい場合は「ロボアドバイザーとは?投資信託の自動運用システム比較まとめ」を読んでみてくださいね。
THEOでは約40種類のETF(上場投資信託)でポートフォリオ※を構成しています。
「どの銘柄をどのくらい保有するか」など、金融商品の組み合わせのこと。ポートフォリオにバランスよく金融商品を組み入むことで、一部の金融商品の価格変動リスクを低減します。
THEOに証券口座を開設し、投資一任契約を結ぶと、「年齢」や「就業状況」、「金融資産額」に応じて自動的に資産運用方針を設定します。
しかしTHEOは、ただ資産運用方針を提案するだけではありません。
もちろん資産運用方針を投資家自身で設定することもできます。
しかし資産運用方針の設定をTHEOに任せれば、年に1回、市場の変化や年齢に応じて資産運用方針を自動的に変更してくれるので、特別な株の知識がなくても資産運用が可能。
手間をかけずに資産運用したい人は、「THEOにおまかせ」設定がオススメです。
実際に問い合わせてみたところ、投資金額が10万円以下の間は「株式を中心に構成されたETFを購入していく」とのことだったぞ。
THEO(テオ)が行う、価格変動のリスクを低減させる3つの分散
金融商品には、価格が上下することによる価格変動リスクがあります。
このリスクは地域や資産内容によって異なりますが、利益が大きい金融商品ほどリスクが高く、利益が小さい金融商品ほどリスクが低いのが一般的です。
しかしいくら利益が大きくても、だれだって高いリスクは取りたくありませんよね。
分散投資を行えば、そのリスクを減らすことができるんですよ。
THEOが約40種類のETFは個別株や債券、不動産、金・原油など11,000以上の銘柄にわかれており、銘柄だけでも分散投資になります。
さらにTHEOでは価格変動のリスクを、次の3つの分散により低減させています。
- 地理的な分散
- アセットクラスの分散
- 時間的な分散
どのようなリスク分散がされているのか、それぞれ見てみましょう。
THEOが行うリスク分散その1、地理的な分散
しかしTHEOが行っているのは、「国際分散投資」とよばれる資産運用手法。銘柄だけでなく、投資先の地理的な分散も行っています。
投資対象となる国や地域は86カ所。
同一地域の資産を対象にすると、災害や政治情勢などによる下落を避けられない可能性が高くなります。
THEOは投資対象となる国や地域を分散させることで、そのリスクを低減させているんですよ。
THEOが行うリスク分散その2、アセットクラスの分散
THEOではETFを9つのアセットクラス※に分類し、それぞれにバランス良く分散しています。
- 先進国株
- 新興国株
- 先進国国債
- 新興国債券
- リート・不動産
- コモディティ
値動きやリスクの特性など、性質が似ている資産ごとに分類しています。
それぞれ違う値動きをするアセットクラスに分散投資を行うことで、リスクは減らすことができるんです。
THEOが行うリスク分散その3、時間的な分散
THEOでは長期運用をすることで、時間的な分散も行っています。
資産の値動きは、「短期的な価格変動」と「長期的な価格変動」の2種類です。
短期では変動の多い銘柄も、成長企業で値上がる可能性の高い資産であれば、長期で保有することによって、リスクを利益に変えることができます。
THEO(テオ)が作成する3つの機能別ポートフォリオ
THEOは投資家の資産運用ニーズに併せて、3つの機能別ポートフォリオを作成しています。
機能別ポートフォリオ | 資産運用ニーズ |
---|---|
グロース ポートフォリオ |
長期的な資産形成をしたい |
インカム ポートフォリオ |
低リスクでインカム収入を得たい |
インフレヘッジ ポートフォリオ |
保有資産の実質的価値の目減りを避け、保全したい |
これら3つの機能別ポートフォリオの組み合わせ比率が、THEOでの「資産運用方針」です。
これら3つの機能別ポートフォリオの特徴をそれぞれ見てみましょう。
長期的な資産形成を行う「グロースポートフォリオ」
グロースポートフォリオでは、値上がり益を重視します。
「長期的な資産形成を行いたい」というニーズのユーザーは、主に資産形成層。グロースポートフォリオの割合が大きくなる可能性が高いのは、次のようなユーザーです。
- 定期的な労働収入がある
- 使うお金よりも稼ぐお金が多い
- すぐに大きなお金を使う予定がない
- 将来のために資金を貯めたい
参考指数は、MSCI ACWI Indexです。
低リスクでインカム収入を得る「インカムポートフォリオ」
インカムポートフォリオでは、配当・利息を重視します。
「低リスクでインカム収入※を得たい」というニーズのユーザーは、おもに退職後のシニア層。
インカムゲインという、株や債券などの資産を保有していることで得られる利益のこと。配当金や株主優待などがあります。
インカムポートフォリオの割合が大きくなる可能性が高いのは、次のようなユーザーです。
- 定期的な労働収入がない
- 入ってくるお金よりも使うお金が多い
- 貯金や年金を切り崩して生活している
- 資産が大きく目減りするリスクは避けたい
- できるだけ多くのインカム収入を得たい
参考指数は、Barclays Global Aggregate Indexです。
保有資産の実質的価値を保全する「インフレヘッジポートフォリオ」
インフレヘッジポートフォリオでは、インフレ対策を行います。
「保有資産の実質的な価値の目減りを避け、保全したい」というニーズのユーザーは、主に富裕層。インフレヘッジポートフォリオの割合が大きくなる可能性が高いのは、次のようなユーザーです。
- 保有資産額が大きく、生活資金に不安はない
- 保有資産の実質的価値の目減りを避けたい
参考指数は、輸入物価指数です。
THEO(テオ)の定額自動積立「THEO積立」
「THEO積立」は、決まった日に決まった金額を自動入金するサービスです。毎月もしくは投資家自身が設定した月に、積み立てることができます。
定額積立なら、「ドルコスト平均法※」という投資手法を利用することができるんですよ。
投資信託や株式などを、定期的に一定の金額で購入する投資手法のこと。
一定額の投資なので、高値のときには少なく、安値のときには多くETFを買い付けることになり、平均購入単価を下げることができます。
THEO積立は、1万円以上1,000円単位で設定することが可能。
口座開設の際に積立金額と引き落とし銀行口座を登録すれば、毎月で自動で指定口座から引き落としをしてくれます。
積立の中止や再開もWeb上で簡単に行うことができますよ。
THEO(テオ)の自動税金最適化サービスで税負担の軽減が可能
THEOでは、2019年6月から自動税金最適化サービス「THEO Tax Optimizer」が始まります。
THEO Tax Optimizerは、次の取引を自動で行ってくれるサービスです。
- リバランス等で利益が出たときに、含み損がある銘柄を売却して利益を相殺する
- リバランス等で損失が出たときに、含み益がある銘柄を売却して損失を相殺する
これらの取引を行なうことで、税金の支払いを翌年以降に繰り延べたり、税負担を減らしたりすることができます。
ポートフォリオや相場の状況により効果は変わってくるとはいえ、コスト削減が期待できるな。
THEO Tax Optimizerは、口座区分を特定口座(源泉徴収あり)に設定していれば利用できるサービスです。
自動税金最適化サービスは、今までウェルスナビにしかありませんでしたが、THEOでも同様のサービスが始まることで利便性がアップすることが期待できます。
THEO(テオ)の手数料は利用状況により割引あり!
2019年4月より、THEOの手数料体系が変わりました。
これまでの手数料は、預かり資産額の1.0%(年率・税別)。預かり資産3000万円までは特に割引はありませんでした。
今後は、利用状況に応じて割引があります。
最大で35%割引になることも。
割引が適応される条件は以下の2つです。
- 毎月積み立てをしている
- 出金をしていない
あらかじめ決められた3カ月間でこの条件を満たしていれば、手数料割引の対象になります。
また、その3カ月間の入出金総額の平均で「カラー」を決定。割引率は「カラー」ごとに違います。
入出金総額の平均が多くなるほど割引率が高くなるのです。
詳細は次の通り。
入出金総額の平均 (カラー基準額) |
カラー | 手数料(年率・税別) |
---|---|---|
– | ホワイト | 1 |
1万円以上50万円以下 | ブルー | 0.9 |
50万円以上100万円未満 | グリーン | 0.8 |
100万円以上1000万円未満 | イエロー | 0.7 |
1000万円以上 | レッド | 0.65 |
1カ月目 30万円+2万円=32万円
2カ月目 32万円+2万円=34万円
3カ月目 34万円+2万円=36万円
となります。
この3カ月間の入出金総額の平均は(32万円+34万円+36万円)÷3=34万円で、カラーはブルーです。
この場合、手数料が10%割り引かれることになります。
対象期間中に積み立てしない月があったり、出金があったりした場合は、カラーはホワイトになり、割引はありません。
なお、対象期間と割引適用期間は次の通り。
対象期間 | カラー決定月 | 割引適用期間 | |
---|---|---|---|
対象期間A | 4月、5月、6月 | 7月 | 8月、9月、10月 |
対象期間B | 7月、8月、9月 | 10月 | 11月、12月、1月 |
対象期間C | 10月、11月、12月 | 1月 | 2月、3月、4月 |
対象期間D | 1月、2月、3月 | 4月 | 5月、6月、7月 |
8月~10月の間は、そのカラーに応じて手数料の割引があります。
割引を受けるための事前エントリーなどは不要です。
ちなみに、預かり資産3,000万円を超えた分の手数料は0.5%(年率・税別)で今までと変わりありません。
THEO(テオ)とウェルスナビを比較!THEOは割引が充実
THEOの他に、有名なロボアドバイザーとしてウェルスナビがあります。
THEOとウェルスナビはどう違うのか、2つを比較してみましょう。
THEO | ウェルスナビ | |
---|---|---|
最低投資額 | 1万円 | 10万円 |
手数料割引 | 最大35% (3000万円までの場合) |
最大10% (3000万円までの場合) |
手数料割引条件 | ・毎月積み立てをすること ・出金をしないこと |
・出金をしないこと |
自動税金最適化サービス | あり(利益・損失両方) | あり(利益のみ) |
出金可能額 | 資産が10万円を下回らない範囲で、1万円単位 | 制限なし |
THEOの方が、最低投資額が少なく、手数料割引率が大きいというメリットがあります。
また、THEOは少額の積み立てでも、最短で5カ月目から割引が適用されるという点もうれしいポイント。
毎月1万円を積み立てるだけでも、5カ月目から手数料の割引が受けられるのです。
一方で、ウェルスナビの長期割引は、割引適用までの金額が50万円以上と大きく、期間も最短で7カ月目から。
手数料割引の制度は、THEOの方が充実しているといえます。
ただし、ウェルスナビは、THEOと違って毎月積み立てをしなくても割引が適用されるというメリットが。
THEOは積み立てをしないと割引が適用されないので、一括投資をしたい場合は、ウェルスナビを利用するほうがよいでしょう。
自動税金最適化サービスは、以前はウェルスナビにしかありませんでしたが、2019年6月よりTHEOでもサービスが開始されます。
しかも、THEOの自動税金最適化サービスであるTHEO Tax Optimizerは、利益・損失ともに最適化が可能。
ウェルスナビのDeTAXは利益が出たときのみ損失で相殺される仕組みです。
THEOの方がより細かく、税金を最適化してくれることになります。
出金に関する制約はTHEOの方が多いので、急に資金が必要になった場合に困る可能性も。
ウェルスナビは解約せずに、全額出金することもできるので、余裕ができたらもう一度入金して投資を始めることも可能です。
どのロボアドバイザーを選択すべきかは、資産状況や年齢によっても変わってくるもの。メリット・デメリットを比べて、自分に合うロボアドを探しましょう。
「ロボアドバイザーとは?投資信託の自動運用システム比較まとめ」の記事も参考にしてくださいね。
ウェルスナビの詳細は、「ウェルスナビを徹底解説!ロボアドバイザーで自動資産運用」でも紹介しています。
THEO(テオ)の口座開設は簡単5ステップ!
実際にTHEOで資産運用を行うには口座開設が必要です。
口座開設といっても非常に簡単な5つのステップを踏むだけで完了です。
- 公式サイトからユーザー登録
- 個人情報の入力と口座種別の選択
- 本人確認
- 積立投資の設定
- 引き落とし口座の登録
まずはTHEOの公式サイトにアクセスし無料診断をした後、メールアドレスを入力してユーザー登録をしましょう。
ステップ2の口座種別選択では「特定口座・源泉徴収あり」を選択すれば確定申告を不要にできます。
ステップ3の本人確認ではマイナンバーが必要です。もし持っていない人は通知書やマイナンバー記載の住民票でも代用可能です。
ステップ4では1万円以上から1,000円単位で毎月の積立金額を設定。
ステップ5で引き落とし用の口座を指定すれば完了です。
口座開設処理後に自宅へ送られる簡易書留を受け取ったらTHEOを使い始めることができます。
ロボアドバイザーTHEO(テオ)で、資産運用を始めよう
THEOは投資一任運用サービスです。
買い付けからメンテナンスまで一括して行ってくれるので、手間がかかりません。
資産運用方針は投資家自身で決めることもできますが、THEOに設定を任せれば、「年齢」や「年収」などから年に1回、運用方針も自動で更新してくれます。
1万円から資産運用を始められるので、投資の経験がほとんどないユーザーも多いんですよ。
また「THEO積立」を利用すれば、定額を自動で積み立てることも可能。
「投資は気になるけど、忙しくて時間が割けない」という人は、ぜひTHEOを利用してみてくださいね。