S&P500はNYダウと並ぶ代表的な株価指数で多くの投資信託やETFがベンチマークとして採用しています。NYダウとの違いは算出方法と構成銘柄数ですが、500銘柄と対象が広いため分散性という面から見ればS&P500の方が適しています。
実績も高く1941年の開始時点からほぼ右肩上がりで上昇。1年間の収益率も6%を超えるなど、2%付近を推移する日経平均と比べても高いパフォーマンスを残しています。
この記事ではS&P500の算出方法やNYダウとの違い、おすすめの投資信託や国内外のETFまで紹介します。
S&P500は米国の500銘柄を対象にした株価指数
S&P500とは、「ニューヨーク証券取引所」「NYSE American」「NASDAQ」に上場している米国の大企業500銘柄の株価を元に算出される株価指数(インデックス)です。
S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスというインデックス企業が算出しています。
時価総額は15兆6,000億米ドルを超え、米国株式市場の約80%を取得しています。そのため米国経済全体の動向を見る指標としてS&P500は非常に有効です。
米国で代表的な株価指数にはNYダウやNASDAQがありますが、S&P500はそれらの指標と算出方法や構成銘柄が異なっています。
S&P500は時価総額加重平均で算出する
S&P500は「時価総額加重平均型」の株価指数です。
各企業の「時価総額((株価×上場株式数))」をベースに平均値を算出します。
具体的には「算出時の対象銘柄の時価総額合計額」を「基準点の時価総額合計」で割って計算。
基準点に比べて現在の時価総額がどれくらい増減したのか一目で分かります。
S&P500の場合は1941年から43年の平均を10として算出しています。
NYダウや日経平均は株価平均型で算出する
時価総額加重平均型と比較される指標は「株価平均型」です。
日経平均株価やNYダウが採用しています。こちらは時価総額ではなく株価を一定の数(除数)で割って平均値を算出します。除数とは計算に用いる対象銘柄を入れ替えた際、不自然に株価が増減しないよう調整するための数値です。
時価総額加重平均型と株価平均型の違い、採用している主な株価指標は次のとおりです。
計算方法 | 代表的な指標 | |
---|---|---|
時価総額加重平均型 | ・(算出する時価総額の合計額)÷(基準点の時価総額の合計額) | ・TOPIX ・S&P500 ・NASDAQ ・上海総合指数 ・香港ハンセン指数 |
株価平均型 | ・(対象銘柄の株価合計)÷(除数) | ・日経平均株価 ・NYダウ |
世界的な潮流としては時価総額加重平均型の方が主流となっています。
株価平均型は構成銘柄が少ないため、値がさ株※の影響を受けやすいのが特徴。
一単元当たりの株価水準が高い銘柄のことです。水準が低い銘柄ごとに「中位株」「低位株」と呼ばれます。
一方の時価総額加重平均型は時価総額の大きい企業の指影響を受けます。
また多くの時価総額加重平均型株価指数は「浮動株調整」を行っています。浮動株とは市場に流通している株のこと。
浮動株調整とは浮動株の部分だけで計算を行うことであり、多くの時価総額加重平均型株価指数が採用しています。
S&P500は500銘柄、NYダウは30銘柄が対象
米国の株式市場の値動きを測る代表的な指標にはS&P500以外にも、NYダウ(ダウ平均株価)、NASDAQなどがあります。
それぞれの違いは次の表のとおりです。
算出方法 | 構成銘柄数 | |
---|---|---|
NYダウ | 株価平均型 | 30 |
S&P500 | 時価総額加重平均型 | 500 |
NASDAQ100 | 時価総額加重平均型 | 100 |
NYダウは株価平均型の株価指標で、米国を代表する30銘柄を対象にしています。ウォール・ストリート・ジャーナルを発行しているダウ・ジョーンズ社が発表。銘柄の組み換えも行われています。
対象銘柄は30と少数ですが時価総額の合計は米国株式市場の25%を占めています。
またNASDAQは1971年に開設されたベンチャー企業向けの証券取引所のこと、時価総額加重平均型を採用しており、銘柄数も3,300以上とかなりが数を対象です。日本にもJASDAQというNASDAQを模したベンチャー企業向けの証券取引所が存在していました。(2022年東証再編により廃止)
S&P500とNYダウは構成銘柄数と算出方法に違いがありますが、チャートの動きは非常に似ています。
青線がS&P500、緑線がNYダウです。
動きが似ているため、どちらかの指標だけに注目すれば十分でしょう。
ただしS&P500の方は株価の動向を示すという役割のほかに、経済の将来動向を示す指標としても使われています。
具体的には経済動向の先行きを見る「景気先行指標総合指数(LEI)※」の1つとして採用されているのです。
米国の民間組織コンファレンスボードが毎月発表している経済の予測指数。S&P500を含む10の指標を基に経済全体の動向を予測しています。
S&P500の構成企業は情報通信(ハイテク)産業が多い
次にS&P500とNYダウを構成する産業の割合について見てみましょう。S&P500は時価総額をベースに構成割合が決めるため、情報通信産業の割合が高いことが特徴です。
S&P500は構成銘柄数が多い分、多様な産業が組み込まれていることが分かります。
分散性や分散投資という面から見れば、S&P500の方がよりリスク回避のできる株価指標と言えるでしょう。
またS&P500における上位10銘柄は次のようになっています。
銘柄名 | 該当産業 | 割合 |
---|---|---|
アップル | 情報通信 | 7.7% |
マイクロソフト | 情報通信 | 6.2% |
アマゾン・ドット・コム | 一般消費財 | 3.4% |
エヌビディア | 情報通信 | 2.9% |
テスラ | 一般消費財 | 2.1% |
メタ・プラットフォームズ | サービス | 2.0% |
アルファベットA | サービス | 2.0% |
アルファベットC | サービス | 1.9% |
バークシャー・ハサウェイ | 金融 | 1.9% |
ユナイテッド・ヘルス | サービス | 1.2% |
特徴は上位10銘柄だけで20%以上の構成比を持っていること。
FAMMG(フェイスブック、アップル、アマゾン、マイクロソフト、グーグル)を中心とした米国の大型株がS&P500の数値に大きな影響を与えているのです。
S&P500をベンチマークとするオススメ投資信託
S&P500の推移を見ると比較的安定した値上がりを続けていることが分かります。
2000年代前半のITバブル崩壊や、2008年のリーマンショック時には大きく下落したものの、その後立て直していることが分かります。
S&P500はリスクの低い安定した投資先と言えるでしょう。
そのためS&P500はインデックス型の投資信託において数多く採用されています。日本でもS&P500に連動した投資信託があり、つみたてNISAの対象となっているものもあります。
国内で購入できるS&P500に連動したオススメ投資信託は次のとおりです。
信託報酬 | 取扱ネット証券 | |
---|---|---|
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 0.09372% | ・SBI証券、楽天証券、マネックス証券、岡三オンライン証券、auカブコム証券、松井証券、SMBC日興証券 |
iFree S&P500インデックス | 0.22% | ・SBI証券、楽天証券、マネックス証券、岡三オンライン証券、auカブコム証券、GMOクリック証券、松井証券、むさし証券 |
iシェアーズ 米国株式インデックス・ファンド※ | 0.0938% | ・SBI証券、楽天証券、マネックス証券、auカブコム証券、GMOクリック証券、松井証券 |
投資信託では「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の信託報酬が最安値のためオススメです。(ただし為替ヘッジは行われないので注意)
「iFree S&P500インデックス」は取扱金融機関が多く銀行などでも販売しているのが特徴。
また紹介した3つのファンドはいずれもノーロードで分配金の支払いも行っていません。
分配金が支払われると基準価額が下がり、トータルの運用益がマイナスとなる可能性もあるので注意してください。
S&P500をベンチマークとするオススメETF
S&P500は投資信託だけでなくETFにおいてもベンチマークとして採用されています。ETFは投資信託に比べ信託報酬が安く、長期的な保有に向く商品です。
S&P500に連動したオススメETFは次のとおり。
信託報酬 | 取扱金融機関 | |
---|---|---|
SPDR S&P500 ETF | 0.0945% | ・SBI証券、楽天証券、auカブコム証券 |
上場インデックスファンド米国株式(S&P500) | 0.16% | ・SBI証券、楽天証券 |
iシェアーズS&P500米国株ETF | 0.0770% | ・SBI証券、楽天証券 |
バンカード・S&P500 ETF | 0.03% | ・SBI証券、楽天証券 |
「SPDR S&P500 ETF」は米国株式市場へ投資する代表的なETFです。世界のETFの中で総資産残高ランキングと日次売買ランキングで1位を獲得しています。
信託報酬も0.0945%と最安です。
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ノックアウト価格が原資産価格と遠い設定…オプション料が大きくなる - 6:原資産価格がノックアウト価格に達するとポジションが自動決済(ノックアウト)
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