投資信託は長期投資することが多いため、「ノーロード」を選ぶだけで運用効率が大きく上がりますよ。
この記事では「手軽に購入できる、不動の人気ナンバーワンのノーロード」とは何なのか、メリットとデメリット、おすすめノーロードについて解説します。
ノーロードとは?販売手数料が無料の投資信託
投資信託(ファンド)は、いまや資産運用になくてはならない金融商品。しかし種類が多いため、商品選びに苦戦しますよね。
商品選びに迷った場合は、「ノーロード」から選ぶようにしましょう。
ノーロードは購入手数料が無料なので、初期費用を少なくできますよ
投資信託の販売手数料は、販売店(各金融機関)で決めることができます。そのため同じファンドでも、購入手数料が異なる場合もあるんです。
できるだけ安く購入したいなら、金融機関ごとの販売手数料をチェックし、ノーロードかどうかを確認してから買いましょう。
ノーロードのメリット!低コストで資産運用が可能
ノーロードのメリットは、低コストでファンドが購入できることです。
購入したときより基準価額が上がり利益が出たとしても、手数料のコストが高ければ、せっかくの利益が目減りしてしまいます。
投資信託の保有コストをなるべく減らすためにも、ノーロードを積極的に活用しましょう。
ノーロードはインデックスファンドに集中!購入時に確認を
ノーロードはインデックスタイプの投資信託に、多く採用されています。
インデックスファンドは市場平均(ベンチマーク)に連動する投資信託であり、投資信託のなかで最もポピュラーなもの。
インデックスファンドについて詳しい解説は「インデックスファンドとは?特徴や仕組みをわかりやすく解説!」を参考にしてください。
インデックス型の投資信託は保有コストがとても安いです。アクティブファンドと比較して、結局手元に残る利益が多くなる可能性もありますよ。
もしインデックスファンドの購入を検討しているなら、上の図のように「ノーロード」の表示があるかどうかを事前に確認しましょう。
むしろコストが高い割に、利益が出ない投資信託もあるから気をつけよう!
ノーロードのデメリット!トータルコストを必ずチェック
低コストでファンドを購入できるノーロードの投資信託ですが、注意すべきこともあります。
購入手数料以外のコストが割高になるファンドの場合、長期保有には向かないのです。
保有コストが高くては、結果的に手数料負けしてしまうケースになりかねません。
投資信託で注意しなければならない、手数料以外のコストは次の2点です。
- 信託報酬(保有時)
- 信託財産留保額(換金時)
信託報酬とは?ファンド運用にかかる費用を日割りで徴収される
信託報酬(運用管理費用)は、「保有資産総額に年率で◯◯%」と記載されていますが、日割り計算されて引かれる手数料です。
年率はファンドによって違いがありますが、最も重要視しなければならないコストです。ファンドを購入してから解約するまで、毎日発生するのが理由。
せっかくノーロードを選んでも、信託報酬が割高である場合は長期保有に向きません。
信託報酬は投資信託の内容によっても違いがあり、年率0.2~0.8%程度のものが平均的です。
信託財産留保額とは?解約時にかかる手数料に注意!
投資信託のなかには、解約時に徴収される手数料「信託財産留保額」がかかるものもあります。
しかし信託財産留保額が「ない」投資信託もあるので、購入時にかならず確認しましょう。
またコストについては、金融機関のホームページだけでなく、目論見書(もくろみしょ)※も読んでおくことをオススメします。
ファンドごとに添付されている、「ファンドの目的」や「特色」、「投資対象」などが記されたファンドの説明書のこと。
目論見書についての解説は「ファンド(投資信託)の目論見書の概要と読み方のポイント」をご覧ください。
ファンドの目論見書は、証券会社などのホームページに添付されています。
このように、目論見書にはファンドの詳細な情報が載っています。必ず購入前にファンドの目論見書に目を通し、必要になるコストを把握しておきましょう。
インデックスファンドから選ぶ!おすすめノーロードを紹介
ノーロードの投資信託といってもさまざまなものがあります。
そこでここでは、インデックスファンドのなかから保有コストがあまりかからないおすすめノーロードを投資対象ごとに紹介します。
ファンド名 | 信託報酬(年率) |
---|---|
三井住友ー三井住友・DCつみたてNISA/日本株インデックスファンド | 0.1728% |
大和ーiFree TOPIXインデックス | 0.1836% |
大和ーiFree 日経225インデックス | 0.1836% |
三菱UFJーeMAXIS Slim国内株式インデックス | 0.1836% |
野村ー野村つみたて日本株投信 | 0.1836% |
ファンド名 | 信託報酬(年率) |
---|---|
楽天・全米株式インデックス・ファンド 愛称:楽天・バンガード・ファンド |
0.1696% |
大和ーiFree 外国株式インデックス(為替ヘッジあり) | 0.2052% |
大和ーiFree 外国株式インデックス(為替ヘッジなし) | 0.2052% |
野村つみたて外国株投信 | 0.2052% |
三菱UFJ国際ーeMAXIS Slim先進国株式インデックス | 0.2052% |
ファンド名 | 信託報酬(年率) |
---|---|
三菱UFJ国際ーeMAXIS Slim国内債券インデックス | 0.1512% |
たわらノーロード 国内債券 | 0.162% |
三井住友・日本債券インデックスファンド | 0.1728% |
ニッセイ外国債券インデックスファンド | 0.1836% |
三菱UFJ国際ーeMAXIS Slim先進国債券インデックス | 0.1836% |
大和iFree 外国債券インデックス | 0.1944% |
大和iFree 新興国債券インデックス | 0.2376% |
ファンド名 | 信託報酬(年率) |
---|---|
ニッセイJリートインデックスファンド | 0.27% |
三井住友・DC日本リートインデックスファンド | 0.2808% |
大和ーiFree J-REITインデックス | 0.3132% |
ニッセイグローバルリートインデックスファンド | 0.2916% |
三井住友・DC外国リート・インデックスファンド | 0.3024% |
大和住銀ーひとくふう先進国リートファンド | 0.324% |
三井住友TAMーSMT 新興国REITインデックス・オープン | 0.648% |
そのほかにもノーロード・ファンドには、「金」や「原油」「穀物」などの先物を対象とした「コモディティインデックスファンド」もあります。
しかしコモディティは信託報酬が割高なものが多く、基準価額の変動も激しいです。投資信託の初心者は、運用するには難易度が高いでしょう。
インデックスファンドを組み合わせて安定的な国際分散投資を!
購入するファンドをどれか「ひとつ」に絞ることはやめましょう。
それぞれの資産クラスからバランスよく選び、いくつかを組み合わせて保有するのが、投資信託の基本的な「国際分散投資※」という考え方です。
さまざまな資産クラスからいくつかの投資信託を選び、できるだけ資産を分散させる投資方法。価格変動リスクを緩和でき、大損しないための工夫です。
株式・債券・REITの値動きはそれぞれ値動きが連動しにくいため、分散投資にそれぞれ選んでおきたい資産クラスです。
また日本国内・先進国・新興国(エマージング)の投資信託も偏らないように選んでおくと、地域による分散投資にもなるので、資産の運用はさらに安定します。
分散投資については、「分散投資とはどんな投資手法?種類ごとに事例を使って紹介!」の記事で詳しく紹介していますよ。
覚えておいて損はない!長期保有に適したノーロード「ひふみ投信」
ただし「長期保有に適した投資信託は、ノーロードのインデックスファンドである」と必ずしも断定できない場合もあります。
実は長期で運用するのに適した「アクティブファンド」も例外的にあるんですよ。
レオスキャピタルワークスの「ひふみ投信」は、信託報酬が年率1.0584%。アクティブファンドにしては割安です。
なおかつ購入時手数料は無料(ノーロード)。
これほど高い運用成績なら、アクティブファンドを買う価値もありますね!
話題のアクティブファンド、ひふみ投信についての詳しい解説は「評判の高いひふみ投信!好パフォーマンス&高利回りのファンドを紹介」を参考にしてください。
投資信託でノーロードは基本!注意点を抑えて賢く資産運用を始めよう
ノーロードは少資金から運用できる投資信託のなかでも、もっともコストをかけずに長期運用できるというメリットがあります。
ノーロードファンドについての要点は以下の3つです。
- ノーロードはインデックスファンドに多い
- ノーロードでも信託報酬に注意する
- ノーロードファンドをいくつか組み合わせ国際分散投資がオススメ
リスクを取らず地道にコツコツ運用を考えている人や、投資の初心者にはピッタリな金融商品です。気軽な気持ちでチャレンジしてみてくださいね。